街灯の下で。
昨夜、楽しい時間を共に過ごした友と別れ、ゆっくりのんびり僕は歩いて帰った。
まだささやかな秋の虫たちの声が聞こえる道を、シアワセな気持ちで僕は歩いた・・・。
オジサンになっても、
髪の毛と財布が薄くても、
たとえメタボでオナカが出っ張っていても、ね、
楽しく遊べるトモダチがいるって事はシアワセなのだ・・・。
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我が家が見えた時、ちょうど息子が玄関先で素振りをしていた。
街灯の下の僕に気付き、息子は手を振ってくれた。
「おう、父さん、おかえり!
う〜ん、イイ表情だっ。
随分と楽しかったんだね。」
なんだかいつもと立場が逆転しているのだけれど、いいか・・・。
だって本当に楽しかったんだもん・・・。
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「おかえり」が言えるシアワセ。
「ただいま」が言えるシアワセ。
そんな些細な事でさえも忘れずにいたい・・・。
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「おうっ、ただいま!
父ちゃんは風呂に入ってすぐ寝るぞ、
オマエも早く寝ろよ・・・。」
僕は、そう言いながら、街灯に照らされた息子の顔を見た・・・。
わっはっは、オマエこそイイ表情だ・・・。
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友は駅から自転車だ。
どうだろう?
そろそろ家に着いた頃だろうか?
そんな事を僕は考えていた・・・。
カキーン!でシアワセ・・・。
僕らはきっと、カキーン!でシアワセ・・・。
親父だけど少年。
野球な親父は誰だって少年。
カキーン!は僕らの合言葉・・・。
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野球な親父の財布は薄い。
だが、心はパンパンに満たされているぞ。
きっと僕らは豊かなのだ・・・。