DA・KA・RA

身体からだ・・・。
わっはっは、
それは、何事もな、身体からだからだ・・・。
だから身体から鍛えるのだ・・・。


背筋がたくましくなったぞ。
え?僕の事さ・・・。
背中の下のところ、ここからがオシリですよラインのちょっと上のところ。
ここを鍛えただけで最近の僕は、きわめて体調がよろしい・・・。
43歳だってな、鍛えれば鍛えられるんだね・・・。


身体からだ。
だから、それは、身体からだからだ・・・。


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僕んちの近所の公園でね、
最近、朝によく見掛けるんだよ・・・。
小学校低学年ぐらいの男の子とお父さん・・・。
2人共バットを持って素振りをしているんだ・・・。
その姿がすごくうらやましい。
早朝の親子の素振り・・・。
まさしく健康三昧・・・。


身体からだ。
だから身体から鍛えるのだ。
すると、心も不思議と鍛えられているのだ。


今度、声を掛けてみようかと思う。
犬を肩に担いでいる僕なのだけれど、
けっして怪しい者ではないです。って言いながら近づこうかと思う。


あのお父さんと小さな男の子に。


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時計の針を巻き戻したいな〜って思う事がしばしばある。


もっともっと僕も身体を一緒になって鍛えながらね、
小さかった息子の野球に寄り添えばよかった・・・。


かわいそうな事をした。


息子の野球に付着した僕自身の野球は、
それはそれは悲惨なものだった・・・。


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息子小1の時、他のお父さんコーチたちと一緒にね、
順番で打席に立ったのだけれど、
バットにボールがかすりもしなかったのは僕だけだった。
息子は、がっかりとした顔をしていた。


息子小2の時、僕は前審で2塁をジャッジしていたのだけれど、
背中にライナーが当たった。
打者の子は泣くし、僕も息が出来ず苦しかった。
息子は、がっかりとした顔をしていた。


息子小3の時、子供たちにゴロの捕りかたを教えていたんだけれど、
かがんだ途端にギックリ腰になって、小学校の昇降口で僕は、うつぶせ寝をする羽目になった。
息子は、がっかりとした顔をしていた。


息子が中学生になっても僕の悲劇は続き、
1塁をジャッジしていてアウト!と手を上げたのはいいんだけれど、
上げた手が下ろせなくなってしまったのだ。
四十肩だった・・・。


3塁をジャッジしていてファールに直撃された。
しかもそれは、はるばる遠征した新潟での事だ。
帰りのバスの中、3人分の補助席を使いながら寝る羽目になった。


息子は、その頃、知らんぷりの顔を覚えた・・・。


もっとしっかりとした僕であるべきだった・・・。
それをいつか息子に謝ろうと思っている・・・。


「がんばらなきゃ!僕ががんばらなきゃ!
 がんばらないと父さんみたいになっちゃう・・・。」
きっと息子は、そう思いながら野球をしているんじゃないだろうか・・・。


と、思うと、ちょびっとさみしい・・・。


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身体を鍛えよう。
今、僕は、それを誓う者でR。


何事もな、
身体からだからだ!