それにつけても夜は冷える・・・。
ビュビュビュっと風が木を揺らしている気配すらする・・・。
深まる秋は、日ごとスピードを増しているみたいだ・・・。
こんな真夜中に目が覚めるのは、ね、尿意。


枕元の時計を見ると午前二時・・・。
ビュビュビュっと外は風が吹いていて、
ワサユサワサと木の葉は揺れる。
草木も眠る丑三つ時だが、
これでは草木も眠れまい・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


夏場は汗をかいていた。
普通の人でさえ一晩でコップ三杯分の汗をかくと聞く。
おそらく僕ならな、コップ五杯分位は汗をかいていただろう・・・。
それがどうよ、今、こんなに冷えると汗なんてかかない・・・。
だからこうして夜中に起きちゃうんだね・・・。


イヤだにゃ〜、トイレが遠いにゃ〜・・・。
二階にもトイレがほしいにゃ〜・・・。


あれ?頻尿の事を人は、「トイレが近い」と言う。
だが、物理的にトイレの場所が遠い事だってある。
トイレが近いんだけど遠い・・・。
うむ、
トイレとは、近いんだけど遠い故郷のようなものかもしれない・・・。


イヤだにゃ〜、布団から出たくないにゃ〜・・・。
ガマンしてこのまま寝ちゃおうかにゃ〜・・・。


43歳にして布団に地図を描いたらシャレになんないしにゃ〜・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


いかんいかん!
勇気を奮い起こせ!
そう、己に克とう!
否、克たなければなるまい!
旅立とう!遥かなる道を!
トイレへ・・・。


あのう、僕んちってね、そんなに大きくないんだけんど、
むしろ、ちっこい家なんだけんど、
トイレがとっても遠くに感じるのはきっと、夜の妖精のせい・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


冷える夜。
深まる秋。


安眠したいな・・・。