やきゅう床屋。
木曜日の昼下がりに僕は、自転車に乗って床屋さんへ出掛けた・・・。
路上の落ち葉を踏みながらペダルを漕ぐと、風は秋の匂いがした・・・。
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さっぱりとさっぱりと、ここはひとつ、おしゃれなスポーツ刈りでヘアスタイルをバッチリと決め、
深まり行く秋を、心豊かに過ごしたいものだ・・・。
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「は〜い、これ、床屋さん代ね・・・。」って、
以前にカミさんから頂いていた床屋さん代を使ってしまっていたので、
途中、コンビニのATMに立ち寄り、貯金をおろす事にした・・・。
♪チョキチョキチョキチョキ床屋さん〜
チョキチョキチョキチョキ貯金をおろして床屋さん〜チョキチョキ♪
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行きつけの床屋さんを持たない僕は、
自転車に乗って気ままに走り、
ふっと見つけた床屋さんに入る・・・。
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「いらっしゃいませ、いかがいたしましょう?」
バシッと小粋なスポーツ刈りをお願いします・・・。
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小さいけれど、とても小奇麗なお店だった・・・。
スポーツ新聞数誌と、棚には、ね、野球関連の雑誌が整然と並んでいた・・・。
このマスター、なかなかの野球好きと見た・・・。
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僕の頭をチョキチョキしながら床屋さんのオジサンは、
ず〜っとずっと、クライマックスシリーズの話をしてくれた・・・。
そうそう、巷は現在、クライマックスシリーズの話題で大盛り上がりだ・・・。
「でもな〜、お客さん、せっかくのペナントレースの上位チームにさ、
ボンテージが少なすぎると思わない?
ペナントレースを制したチームにはさ〜、
せめてボンテージを2つあげたいよね〜。」チョキチョキ・・・。
あのう、おじさん・・・、
それ、ボンテージじゃなくってバンテージです、ってね、
教えてあげようかと思ったのだけれど、ヤメた・・・。
せっかく野球好きの人が話してくれているんだもん、
そんな無粋な真似は出来ないのが人情というものだ・・・。
だが、今、こうして日記を書きながら気付いたのだが、
バンテージも違うぞ、アドバンテージが正解・・・。
あえて知識をひけらかさなくって良かった・・・。
外来語が多すぎる・・・。
日本語の将来が心配・・・。
でも、頭はすっきりスポーツ刈りで気分は爽快・・・。
めでたしめでたし・・・。
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秋の青空・・・。
しずかなしずかな里の秋・・・。
のどかなのどかな昼下がり・・・。
スポーツ刈りになった自分の頭を両手で撫でてみる。
気持ちいい〜。