肩車の上から見えた景色を憶えているかい?
1、〜先日、スーパーで見掛けた光景〜
夕方のスーパーで見掛けたんだよ。
とってもとっても微笑ましい光景だった・・・。
大きな大きな若いお父さんの肩の上に、小さな、二歳ぐらいの男の子が乗っていた。
肩車だよ、男の子はニコニコ笑っていた・・・。
ちっちゃな手のひらでお父さんの頭を掴み、右に向かせたり左に向かせたり、とっても楽しそうだった・・・。
僕も、子供たちをよく肩車したっけな・・・。
その親子の様子を見ながら、手が届きそうでいて、遥か彼方の昔の出来事になってしまった日々を思い出していた・・・。
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お〜い、肩の上のチビッコやい、
お父さんって大きいだろ?
大きくて格好イイだろ?
君の心に、楽しい肩車の記憶がいつまでも残りますように・・・。
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2、〜そして今日〜
僕の同級生、Tくんの親父さんが亡くなった・・・。
僕は今、御通夜に向かう支度をしているところ。
同級生たちで出させて頂く御花の手配のためにと、
Tくんと一番の仲良しだったNくんから連絡をもらい、
ほんの少しだけだったのだけれど、電話で話した・・・。
僕らは今、43歳。
ぽつりぽつりと、親を見送る年代になる・・・。
Tくんの落胆ぶりを想う・・・。
彼は親父さんの跡を継ぎ、親父さんと一緒に仕事をしていた・・・。
それだけにTくんの悲しみの大きさを想う・・・。
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3、〜ふと〜
肩車をされて笑っていた小さな男の子の話と、
Tくんの親父さんの話は、ね、まったく脈絡は無い・・・。
でも、僕は、ふと感じるのだ。
心の奥底で、ふと繋がるのだ。
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お父さんの肩の上の男の子の笑顔と、
今のTくんの大きな悲しみが、
同じであると思えてならないのだ・・・。
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Tくんの親父さんを悼み、冥福を祈ろう。
大きくて強くて格好良くて、
優しい親父さんであった・・・。
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肩車の上のチビッコよ、
お父さんの頭を掴んでるチビッコよ、
お父さんってさ、
とってもとっても大きいだろ?
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涙が出そうだ・・・。