秋のカキーン!

今日からいよいよ息子たちの高校の野球部は秋の合宿。
野球部のグラウンドに建てられた新しいクラブハウスで宿泊をする。
このクラブハウス、名称を記述する事は差し控えさせて頂くが、
その名称に込められた意味が素晴らしく良い・・・。


〜卵の中からヒナが殻を突き破ろうとして突付く。
 卵の外から親鳥が殻を突付き、ヒナを手助けしようとする。〜


そんな親鳥とヒナの様子を言い表す言葉なのだそうだ・・・。
その言葉が野球部のクラブハウスの名称なのだから僕は、
安心して息子を送り出す事が出来る・・・。


もう高校生なのだけれど、
野球のある場所へ出掛ける以上、彼らは皆、まだまだ一個の卵みたいなものだ。
懸命に懸命に、暗い卵の中で殻を突き破るためにもがけ!って無責任なのだけれど親父は思う。
殻を外から破ろうと手伝うのは、ね、僕ら親なんかじゃない。
親鳥とは、監督、コーチ、指導者の方々だ。


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じゃ、行ってらっしゃい、達者でな。
合宿しゅくしゅく元気で過ごせ。


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あまりにも荷物が多いものだから、特別サービスで最寄り駅まで送る・・・。
巨大な野球の遠征バッグを2つ持ち、改札へ向かう息子の後姿を見ながら思った。


ずいぶんと大きくなったものだ・・・。


4月の入学時に買ったブカブカの制服がツンツルテンだ・・・。
肩幅と、胸板。
オシリと太もも。


ツンツルテンの高校球児。
上着キツそう。
ズボンはパッツンパッツン。


歩くたんびにズボンの裾から、ね、
足首がコンニチハ!サヨウナラ!を繰り返している・・・。


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かなり余裕のあるブカブカの制服をカミさんは息子のために買ったのだけれど、
こんなに早く買い換えなければならないとは想定外だった模様・・・。
高いんだよ、コレ!
某有名高級デパートの品がな、学校指定品なんだよ・・・。
おおおっ、おっかねぇ、お金の話はおっかねぇ!
耳をふさごう・・・。


だが、足首がコンニチハ・サヨウナラ・コンニチハ・サヨウナラを繰り返して歩いている息子の姿はあまりにも不憫だ・・・。
なんとかしなければなるまいと思うのが親心というものだ。


働こう、僕、もうちょっと真面目に・・・。


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改札へ向かう息子・・・。


くるぶしまでの短い靴下が見え隠れする。
サヨウナラ・コンニチハ・サヨウナラ・コンニチハ・・・。


ビートルズの名曲、ハローグッバイみたいなリズムだ・・・。


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とりあえず合宿、
カキーン!って過ごせ。


仲間や先輩と一緒に、
かけがえのない日々を過ごせ。


新しい制服は、父ちゃんが何とかする。(予定)