気をつけて走るんだよ、自転車の球児たちよ。

木曜日の朝、
僕は車で取引先への道を急ぐ。


すっかりと早朝の景色は、既に冬のような風情で、
道行く人たちの吐く息も白い・・・。


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自転車を漕ぐ球児たちが気に掛かる・・・。
あちらこちらで見かける・・・。
大きなバッグを積んで走る様子にハラハラする・・・。


気をつけてくれよ、
いつもいつも僕は言うのだけれど、
本当に気をつけておくれよ・・・。


自転車の球児たちの横を、
大きなトラックが走り抜ける・・・。


気をつけておくれよ、
気をつけておくれよ、
遠回りでもいいじゃないか、
もっともっと安全な道は無いのかい?
あるならそっちを走ってくれよ・・・。


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高校球児よ、
厳しく辛い練習を続けているであろう日々を想う・・・。
本当の意味で強い人間になるための今だ。


だから、ね、交通事故だけはダメだ・・・。


絶対にダメだぞ・・・。
オジサンが許さないぞ・・・。


そんな事で命を絶対に落とすなよ!


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生きてりゃ、ね、
楽しい事は未来にたくさんある・・・。
本当だぞ、本当なんだぞ・・・。


あんな事や、こんな事もある・・・。
場合によっては、な、
うっひっひ、こ〜んな事だってあるんだぞ。
オジサンを見てみな、
鼻の下が伸びてるだろだろ?


よしよし、
いつか、君が大人になったらな、必ず連れて行ってやるよ、
楽しい所に、な・・・。


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だから気をつけておくれよ・・・。
自転車・・・。


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自転車とは、
自ら転ぶ車と書きます・・・。


転んだりしちゃう乗り物なんだよ・・・。


充分に理解して乗ってくれ・・・。