友、上京の状況。(新橋にて)

高校時代の同級生、Wくんが上京した。
なぜ上京したのか上京の状況を説明するとだな、ただの出張だ・・・。
Wくんは僕らの代の2番セカンド。
コツコツと努力をして、しっかりと人生を歩み、日本を代表する大企業の課長にまで昇りつめた男。
課長さんだよ、課長さん・・・、僕らの代の出世頭だ・・・。
僕はつくづく思うのだが、2番セカンドタイプの男ってさ、
実社会に於いて、最も必要とされている人物なのではないだろうか・・・。
小柄だが機敏で、陰日なた無く努力し、場合によっては自分を犠牲にする事も厭わず、
世の中の原動力となり得るタイプが2番セカンドのヤツ・・・。
Wくんは、その典型である・・・。


きっと、傷つく事も多いだろうけれど・・・。
きっと、傷つく事も多かっただろうけれど・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「無理言って呼び出して悪かったな・・・。」なんてWくんは言うのだけれど、
いいよ、いいよ、気にするな、せっかく東京に出て来たんだもんな、
会えてうれしい、連絡してくれてうれしいと僕は素直に思ったんだよ・・・。


「とりあえずビールでいいか?」ってな、
そんなセリフをさりげなく口に出来るトコロがやっぱり2番セカンドだ・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


なつかしい友。
笑える今があるのはきっと、
泣いた昔を共に過ごしたからなのだ。
共に過ごしたから友、
友は共なり、共は友なり・・・。
なんちゃって、な、


乾杯!
友よ、ネクタイを外せ!
今宵は無礼講じゃ!
ハチマキにして頭に巻け!


わっはっは・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


43歳。
仕事の話、家庭の話、
結構つらそうに話す友の顔がつらい・・・。
ま、お互いにな、いろいろある。
いろいろあるけどシアワセを探して感じようや・・・。


カキーン!だ・・・。


いろいろあっていい・・・。
悩んだり苦しんだっていい・・・。


ただ、どうしても弱音を吐きたい時は、
迷わず僕に連絡をしてくれ・・・。


キャッチボールしようぜ・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


肩を組み僕らは、SLの前で笑った。
このSLは錆びて、もう走る事なんて出来ないのだろうけれど、
僕らはSLの前で肩を組み笑った。


まだまだ僕らは走らなければならない・・・。


ふと、雨に濡れたSLの黒い車体がキラリと光ったように見えた・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


がんばれがんばれ!Wくん!


ナイス!セカン!って、な、
もう一度僕に叫ばせてくれよな・・・。