気と、理と、徳。
練習中、イレギュラーした球が口にあたったと連絡を受けた時、さすがの僕も肝を冷した。
すぐにチームメートの親父さんが経営なさっている歯科医院で診て頂き、幸いにも歯は折れていないと聞き、胸を撫で下ろした。
痛かったろうと思う。
僕なら、ね、たぶん痛くて泣いちゃうよ。
わっはっは、
君は高校生だもん、痛くても泣けないよな。
・・・・・・・
ボール、怖くなってないか?
僕は聞いた。
「ぜんぜん・・・、ちっとも恐くなんてないよ。」と息子は笑った。
腫れた顔で。
・・・・・・・
痛かったはずだ。
でも、ね、
野球の神様の洗礼だと思おうよ。
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「気」をつけて、
「理」をつくり、
「徳」を積みなさい。
父さんは、な、
こうして少しずつ強く大きくなる君を、ずっと見てるからな。