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とても懐かしい日の記憶を思い出すような出来事でした・・・。
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それは、娘が5歳。
そして息子が3歳だった時の話・・・。
とある日曜日の事です。
看護婦さんであるカミさんは日勤のために不在・・・。
僕が子供たちと一緒に、ね、
3人だけで過ごす日曜日の事でした・・・。
ザリガニとオタマジャクシを捕りに行こう!
帰りにマクドナルドへ行こう!
そんな計画を立てていたのでした・・・。
そして、僕は、
その頃の愛車、ジープに子供たちを乗せて荒川を上流まで遡りました・・・。
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河原を3人で歩き、バッタやら小さなカエルと遊びました・・・。
楽しかった・・・。
本当に楽しかった・・・。
用水路の脇を僕らは歩き、いよいよザリガニを捕ろうといった時です・・・。
娘にも息子にも、
それぞれ一本ずつタモ網を持たせていたのですが、
フラフラとユラユラと、とっても危なっかしい2人でした・・・。
おい、落っこちるなよ。
僕は子供たちに言っていたのですが、
ツルン、
うわっ!
ドボン!と、
大きな用水路に落ちたのは僕でした・・・。
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その時、
娘は泣き、
「パパが溺れちゃう!」と、パニックになっていました・・・。
その時、
息子は表情を変えず水辺まで歩いてしゃがみ、
僕に向けてタモ網の柄を差し伸べてきました・・・。
「摑まれ!」と言わんばかりに・・・。
用水路の泥でツルツルしながら僕は、
それぞれのカタチで心配してくれる子供たちの姿を笑いながら見ていました・・・。
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男の子、女の子・・・。
同じ親から生まれても、ね、
それぞれ違う気質の不思議・・・。
子供たちの着替えはあったのだけれど、
僕の着替えはありませんでした・・・。
泥まみれで食べたマクドナルドのハンバーガーの味。
懐かしい日の記憶・・・。
思い出・・・。
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懐かしくって、シアワセな思い出・・・。
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今日、
僕は、ちょっとした動悸で胸が痛み、
いつもより少しだけ早く就寝しました・・・。
二十歳を過ぎてからなのですが、
不整脈の診断を受けた事もあり、
念のために早く就寝しました・・・。
夜中、
僕の枕元に、ね、
18歳になった娘が座っていました・・・。
僕が目を開けると、
娘はいきなりポロポロと泣き、
そして僕に抱きつき言いました・・・。
「パパ!死なないで!
パパが死んじゃう夢を見たの・・・。」
そして娘は泣きじゃくりました・・・。
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だ、大丈夫だよ。
大丈夫だってば・・・。
君がお嫁さんに行くまでは絶対に死なないから・・・。
娘の髪を撫でると、
幼かった頃と同じ匂いがしました・・・。
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僕はおそらく一人でいたら、
今でもきっと、ね、恐いもの知らずだったろうと思います・・・。
でも今、
僕は、恐いものがたくさんある・・・。
娘の髪を撫でながらそれを思いました・・・。
大切な人が増えるたび、
守らなければならない人が増えるたび、
恐いものが増えるような気がします・・・。
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恐くてたまらないのはきっと、
シアワセな証拠なのかもしれません・・・。
朝が来ました・・・。
いつものように起床しました・・・。
いつもと同じ朝でした・・・。
いつもと同じ朝を迎えるシアワセを考えました・・・。