フューチャースター

「トモダチが行くから僕も。」
じゃない・・・。

「僕はどうしても清瀬ポニーに入りたい。」


そう言ってその男の子は、ね、
リュックサックにグローブとおにぎりとお碗とお箸を入れて、清瀬第2グラウンドを目指して自転車を漕いだそうだ。


意志を持って。
勇気を持って。


僕は、その男の子の勇気や意志に感動した・・・。


道中、彼は、ね、清瀬第2グラウンドへ向かう先輩たちの自転車の列に合流出来て、
自分と同じような六年生の仲間とも出逢いながら聖地への道程を走り続けたそうだ。


初めて羽ばたく若鳥は、
たった一羽で飛び立ったのだけれど、
大きな空で仲間の群れに逢えて合流し、
そして清瀬第2グラウンドに降り立ったんだ・・・。

清瀬ポニーは、各チーム名に鳥の名前を付けている。

その意味や意義は、
羽ばたこうとする少年たちの意志が、
鳥の志に似ているからなのかもしれないと僕は思った。


・・・・・・・・

過日、
清瀬ポニー・サンダーバードの初陣でね、
その男の子は2イニングを投げた。

「全身を使って伸び伸びと投げてる。すごく成長が楽しみだよ。」と、八景監督が嬉しそうに言っていた。

まだ学童チームのユニホームのズボンでね、
上だけポニーの、そう、尾長鳥がデザインされたユニホームを着ていたのだけれど、
皆、不思議と似合っていた。


学童チームの指導者の方々が彼らに教えたしっかりとした基礎があるからこそ、
中学野球があるのだと教えてくれるような姿だった。

少年たちの勇気。

カキーン!の勇気。


実り多き日々が始まらん事を祈ろう。


がんばれよ、
一人残らず。