学生野球憲章の中にも、ね、その理念は高らかに謳われている。


〜野球を通じてフェアプレーの精神を身につける。〜


そう、そうなんだよ、それが一番大切な事・・・。


現在、たとえどんな状況下にあったとしても、な、
懸命に野球を学び続けようとしている少年たちがいる・・・。
その少年たちがやがて大人になり、世の中に出た時、
その手と心に携えるべきものは、フェアプレーの精神であってほしい・・・。


少年たちが大人になり、そして生きる未来は、
現在の大人である僕たちの責任で、とても申し訳ないのだけれど、
ますます困難な時代になっているだろうと予想される・・・。


そんな未来を強く、決して心を倒す事のない人間として生き抜いてもらいたいから、
小学生の野球も、
中学生の野球も、
そして高校生の野球も存在しているのだと僕は思う・・・。


世の中ってね、それはそれは理不尽なものだよ。
理不尽のカタマリが社会そのものだと考える位でちょうどいい・・・。


理不尽に挑み、はるか高くそれを乗り越える力を発揮するために、
フェアプレーの精神を身につけるんだよ・・・。


仲間と力を合わせる事。
ライバルを尊敬し尊重し、堂々と競う事。
それが出来なければ理不尽になど、決して克てないのだからね・・・。


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泣いたり笑ったり、褒められたり怒られたりして、
ちっちゃな野球少年たちは、いつのまにか逞しい人間に育つ・・・。


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がんばれがんばれ!って、僕はいつも言う。


でもね、本当は知っているんだよ、
もうみんながんばっているって事を。


これ以上がんばれないほどにがんばっている事を。


そんな少年たちにがんばれ!って言う事は、
もしかしたら酷なのかもしれないと思いながら言う・・・。


がんばれがんばれ!って・・・。


なぜなら、それでももっともっとがんばってもらいたいからだ・・・・。


難しい話になってしまってゴメン・・・。


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21世紀を希望で満たそうじゃないか。
がんばり続けているすべての野球少年たちよ。


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「21世紀枠」
高校野球に於ける、このシステムを僕は、
なんとシアワセでありがたい事だろうかと考えている。


がんばり続ける少年たちの想いに報いるシステムだと思う・・・。


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春、センバツ真っ盛り・・・。


出場32校はすべて等しい・・・。
キラキラと輝いていて、眩しい・・・。


少年たちの想いが輝いていて眩しい・・・。


少年たちの輝く想いは等しい・・・。
みんながんばっている少年たちなのだから等しい・・・。


僕はそこに詩を見つけ、そして感動する。
フェアプレーの詩に感動するのだ・・・。


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勝つ事もある、
負ける事だってある。


だから野球は楽しいし素晴らしいんだ・・・。


負ける事を恥じてはダメだよ・・・。
堂々と競う場面に野球の詩は生まれるのだからね・・・。


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「21世紀枠に負けたのが悔しい。
 全国で恥をかいた。末代までの恥。」


そんな残念な言葉が今日のニュースで取り沙汰されている・・・。


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少年たちの想いを、
踏みにじってはならない・・・。


高校野球の主人公は、
球児たちなのだから・・・。