小指の思い出。

タンスの角に足の小指をブツケる・・・。
思いっきり足の小指ちゃんをブツケる・・・。


イテテテテっ!
僕は叫び、倒れる。


仕事場で心ここにあらず、ラジオに集中して、佳境の場面でついに僕は、テレビで見たいと家の中でダッシュしたのだ。


ダッシュしたからいけなかった。
だからブツケたんだね、足の小指・・・。


イテテテテ〜っ!
折れてない?
もしかしたら骨、折れてないだろうか?
人は何故、ブツケるのでしょう?
足の小指をブツケるのでしょう?


痛い・・・。
激しく痛い・・・
激しく痛いと書いて、激痛・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・


ああっ、テレビ。
テレビのリモコンは何処?
英語で言うと、フゥェア、
正しい発音はWhere・・・。


這いつくばり僕は、ようやくテレビをつけた・・・。

ああっ、終わってる。
サヨナラゲームだ。


素晴らしいゲームだった。
勝戦にふさわしい内容のゲームだった・・・。


球春到来を告げたセンバツが終わる。


そして今、桜は満開。


出場32校、すべての球児たちの勝利・・・。
そう感じられる最高の春だった・・・。


野球に高校時代のありったけを賭けた少年たちの願い。


その願いは胸を打つ。
カキーン!と僕の胸を打つ。


だから僕は泣いているんだよ。


ありがとう球児たちよ・・・。


足の小指が痛くて泣いているんじゃないよん・・・。