輝くグラウンドへ一緒に行く。

故人となられたコーチの、会葬御礼と書かれたギフトの冊子の中から、双眼鏡を僕は選んだ。


これを選んでくれと、コーチの声が聞こえた気がして・・・。


僕は双眼鏡を選んだのだ・・・。


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これから、ね、
野球の場所へ行く時には、必ずこれを携えようと思う・・・。


きっと一緒に見られる。
コーチと一緒に見られる。


野球を見せてあげたい。


大好きだった野球を見せてあげたい。


ずっと一緒に野球が見たい。


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双眼鏡を磨きながら僕は語りかける。


今度の週末も野球を観に行きましょうや、


中村さん・・・。


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清瀬ポニーも、ね、
90名近くまで選手が増えましたよ・・・。


その子らの野球をずっと、
見守ってあげて下さいね・・・。


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双眼鏡を磨き終え、それを僕は箱に仕舞う。


週末を楽しみにしつつ、新しい週が始まる。