都会があまり好きじゃない。
だが、仕事のために仕方なく、しぶしぶ渋谷に出掛けた・・・。


一応、東京都民なのだけれど、
僕んちの電話番号は03じゃない。


03じゃない哀しみが、僕の足を重くする。
都会に出ると、いつもそう・・・。


前から歩いて来る人がある。
もしかしたらその人んちの電話番号は、03かもしれない。
電話番号が0424の僕は、目をそらし道を譲るんだ。
卑屈なり、我。
だから都会は嫌だ・・・。


東京都民なのだけれど03じゃない。
その哀しみの影を、おそらく一生背負う・・・。


0424の哀しみ。
あ、笑ったな、
あなたは0423じゃないか、
人の事は笑えんぞ。
心のどこかで、な、
僕だって0425の人を鼻で笑った過去がある。


けれど今、我らは同じ042。


042なのだ・・・。
042の仲間なのだ・・・。


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センター街には、サムライブルーのレプリカユニホームの若者たち。


ブブセラの音が賑やか。


真夏のような暑さ。
僕は汗だく・・・。


な、なんと、
上下革ジャンの男の人がいた。
まるでモデルさんのような体型の人だ・・・。


炎天下、
涼しげな顔で上下革ジャン・・・。
汗などちっともかいてない・・・。


感嘆した・・・。
僕は、簡単に感嘆した・・・。


スゴイ人もいるもんだ・・・。


僕なんか、な、
半ズボンに袖無しに健康サンダルだ。
だが、汗ぐっしょりなのだ・・・。


都会の人はスゴイと思う・・・。


たぶん、革ジャンの人の電話番号は、ね、
03なのだろうな・・・。


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しぶしぶ渋谷。
とても疲れる・・・。


早く東久留米に帰りたい・・・。