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朝からミンミンゼミの声を聞く。
暑さが一層強く感じる・・・。
さ〜て、今日も一日僕はがんばろうと思う。
晩御飯は必ずやウナギと、そしてシジミ汁を食べよう・・・。
土用の丑、
汗だくで見る夢・・・。
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高校球児の君よ、
君は今日もグラウンドにいるのかい?
真っ黒に日焼けした君の顔と、
真っ白に輝く君の練習着の眩しさを想像しながら僕は言うよ・・・。
どうだい?
先輩たちが去ったグラウンドは、ね、
どうだい?
強く、大きく、たくましかった先輩たちがいなくなったグラウンド。
その広く、そしてちょっぴり寂しいグラウンドの空気を、どうか君の心に留めておいておくれ・・・。
先輩たちのあの涙を今日、
一瞬でもいいからもう一度思い返しておくれ・・・。
深呼吸をして、グラウンドに一礼をして、
思い切り走れ・・・。
いつかふたたび、
その広く感じるグラウンドを狭くするんだよ。
寂しく感じる空気を変えるんだよ。
それが君たちの役目だ。
それが先輩たちの涙に応える事だ。
克て!
高校球児たちよ!
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今宵もまた、
ヘトヘトクタクタで、な、
あんまり食欲は湧かないだろうけれど、
ウナギを食べなさいよ・・・。
わっはっは!
あと、シジミ汁ね。
しみじみシジミ汁ね。
僕なんかな、
根気よくシジミは身まで食べるんだぜ。
爪楊枝を使っちゃってな。
その根気を僕は、他の事に使うべきなのだろうが、
なかなかそれが出来ない。
人生、いろいろある。