野球小僧の父として。
夜、寝ている僕の枕元に、小さな息子がやって来た・・・。
遊びに来る小さな息子はいつも、小山ドラゴンズのダブダブのユニホームを着ていて、僕はニコニコしてしまう・・・。
「オ父サン、楽シソウダネ・・・。」
小さな小さな息子は僕に言う。
ああ、楽しいよ、父さんはシアワセだよ。
小さな小さな小さな息子に僕は言う・・・。
野球を習ってくれてありがと・・・。
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息子の高校の野球部の親父の会があった・・・。
僕は、そこでも出会えた仲間を本当に大切にしたいと願っている・・・。
つくづく野球小僧の親父とは皆、似ているものだと僕は思う・・・。
きっと、枕元に、ね、
それぞれの一番小さな頃の息子が遊びに来る、
そんな親父ばかりだ・・・。
そんな親父たちは仲間、
かけがえのないチームメート・・・。
僕は、そう考えている・・・。
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ここだけじゃない、
日本中で、きっと、
僕らのような親父たちがいる・・・。
あなたに会いたいな、と、僕は思う・・・。
野球少年を持つ親父は誰でも仲間・・・。
盃を重ねながら僕は想う・・・。
シアワセと・・・。
野球を子供が学んでくれたから出会えた仲間。
大切な仲間・・・。
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僕は人が好きだ・・・。
あらためて感じる・・・。
野球小僧の親父たちと飲む時間は、この上ない楽しい一時である・・・。
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「オ父サン、楽シソウダネ。」
枕元で小さな息子が言う・・・。
ああ、君のおかげさ、と、僕は言う・・・。
不思議なんだ・・・。
夢なのだけれど夢じゃない。
小さな息子は体温を持ち、
こうして遊びに来てくれる・・・。
なあ、日本中の野球小僧の親父たちよ、
小さな息子は遊びに来るかい?
あなたの夢の中に・・・。
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目が覚めると、瞼が重い。
たぶん僕は、夢を見ながら泣いていたのだ・・・。
もっともっと君と、キャッチボールをすれば良かった・・・。
もっともっと君を、力の限り抱きしめてあげたかったよ・・・。
父さんは、
父さんは、いつだって君を待ってる・・・。
夢の中だっていいじゃないか、
いつでも君を待ってる・・・。
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我が家の近所に、ね、
小山ドラゴンズのユニホームを干しているお宅がある・・・。
どんな男の子が、ね、
そのユニホームを着ているのだろうと僕は思うんだ・・・。
そのユニホームを着た男の子が、さ、
懸命に校庭を駆ける姿を想像して、
ただただ胸が熱くなるんだよ・・・。
がんばれがんばれ!
小山ドラゴンズの、一番小さな男の子・・・。
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今、小さな息子を持つ野球小僧の親父のあなた、
どうか大切にして下さい、
今を・・・。