スタンドバイバイミー。
独身のまま、今なお地元に残る幼なじみ三人と共に僕は、金曜日の夜に繰り出す・・・。
南口の、ネオンまたたく通りは、小さな郊外の街の、一応は歓楽街である。
金曜日の夜、
しかも年の瀬だと言うのに、
賑わいの少なさは寂しくもある・・・。
景気悪ぃんだな、本当に・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しかし44歳・・・、
僕以外の独身男3名・・・。
皆、結構いい男なのに、な、
何で独身なんだろ?
数年前までは、ね、
「誰か紹介してくれ!」って、
うるさいぐらいに言っていた彼らなのだけれど、
最近は言わなくなったので少し心配・・・。
枯れちゃうなよ、
枯れちゃうなよと、僕は祈る・・・。
どこかにいい人いませんか?
44歳、皆いい男ばかりです。
たぶん、持ってるぞい、お金なら・・・。
だが、お金で買えないものもあるのだと僕は、
彼らを見ててそう思う・・・。
このままでは僕は、御祝儀もらいっぱなしのヤツになってしまう・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
幼なじみってイイものだ。
本当は酒なんて無くても何でも話せる・・・。
ゴルフの自慢話も無し、
仕事の自慢も愚痴も無し、
一緒にいるだけで、ね、
子供だったあの頃にタイムスリップする・・・。
僕らはずいぶんシアワセだ・・・。
ベン・E・キングの、スタンドバイミーが聴こえて来るぜ、僕の胸に。
中学生の時、
清瀬の旭が丘から自転車に乗り、
東久留米の南沢まで本を買いに行ったのはこの4人だ・・・。
むかしむかし、本は、
自動販売機で売っていました。
むかしの、少しだけ大人になった男の子たちは、
自転車に乗って遠くの街まで自動販売機の本を買いに行きました。
めでたしめでたし。
オジサンになった今も男の子たちは、その頃の話で盛り上がったりします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
嫁、どっかにいない?