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しゅるしゅるしゅるしゅるシュレッダー。
しゅるしゅるしゅるしゅるシュレッダー。
証拠隠滅、悪霊退散おおた胃酸。
しゅるしゅるしゅるしゅるシュレッダー。
しゅるしゅるしゅるしゅるシュレッダー。
ナンマイダ〜、ナンマイダ〜、
あと何枚だ〜?
しゅるしゅる・・・。
風邪で寝ていた時、親友が差し入れてくれた見舞いのご本を、処分イレブンいい気分。
しゅるしゅるしゅるしゅるシュレッダーで、な・・・。
だが、僕のシュレッダーは、手動式で御座る・・・。
くりくり、くりくりと、
ただひたすらストイックに、小さなハンドルを回す。
コピー用紙ならA4サイズが一枚。
もしくは官製ハガキを一枚。
一度に切り刻めるのは僅かにそれだけ・・・。
しゅるしゅるしゅるしゅるシュレッダー。
ものすご〜く手間が掛かります・・・。
本を一枚ずつピッと破り、
まっつぐに差し込む。
そんでハンドルを手動で回すんだから、よ、
てやんでい、日が暮れちまうぜべらぼうめ・・・。
しゅるしゅる手動のシュレッダー。
なんか悲しい。
なんか切ない。
平日の午前中、
いかがわしい本を一枚ずつ破り、
手動式のシュレッダーでしゅるしゅるしている44歳は、ね、
日本中で僕一人だろうな・・・。
オンリーワンだろうな・・・。
しゅるしゅる・・・。
しゅるしゅる・・・。
しかし、我が国の、
世界に冠たる工業技術を持ってしても、
一度にシュレッダーが刻める枚数は一枚・・・。
恐るべし、紙!
しゅるしゅる〜、
しゅるしゅる〜。