僕らが中学生だった頃の夜。

コンビニの店内の暗さにも慣れた。
わっはっは、店員さんが明るいからだね、きっと・・・。


ガムを1個買うだけで非常に恐縮なんだけんど、
おトイレ貸して下さいな・・・。


「は〜い、どうぞ!ごゆっくり!」


おおおっ、
おおおおおっ、
コンビニでおトイレを貸して下さいってお願いして、
「ごゆっくり!」な〜んて言ってもらったのは初めてだ・・・。


じゃ、じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな・・・。
ありがたいな、ありがたいな、
このアルバイトのお姉さんはきっと、
コンビニのトイレの女神様なのかもしれないぞ・・・。


あまりにも僕は感動したのでな、
用を足した後、トイレットペーパーの先っちょを三角に折った・・・。


手を洗い、ふと思う・・・。
ンガゴ〜って風で手を乾かすジェットタオルは使うまいと・・・。
ゴシゴシっとジーパンで拭いてオシマイ。


あまりにも僕は嬉しかったので、
ペプシコーラも買った・・・。


レジに預けてあったガムを受け取り、
ペプシコーラの代金をお支払いする時、
コンビニのトイレの女神様に僕は、ありがとう!を言った。


セブンイレブンいい気分。


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現在の夜間の街の明るさ(暗さ?)って実は、
昭和56年頃と同じなのだそうだ・・・。


そうだっけ?
そうだったっけ?


あの頃、こんなだったっけ?


あの頃、暗いな〜、なんて思っていたっけ?


充分だったよな。
充分明るかったよな・・・。
昭和・・・。


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ひとりひとり、
人間そのものがひとりひとり、
み〜んな明るく生きればイイのだ。


そうすれば少ない電気だって街は明るくなるのだ。
それでイイのだ。


これからも笑顔で大きな声で僕はお願いするのだ。
コンビニでお願いするのだ。


ガムを1個買い、レジに預けて、
おトイレお借りします!って、
元気にお願いするのだ。


これでイイのだ。