オートベンダー前にて。

う〜む、喉が渇く・・・。
乾いた喉を潤すのはドリンク・・・。
とある高校の野球部グラウンドで僕は、ドリンクのオートベンダーを見つけた・・・。

ドリンクのオートベンダー・・・。
おっとっと、失礼、ついつい教養が溢れてしまいました・・・。
早い話がジュースの自動販売機って事だ・・・。
よく、格好つけてさ、「自販機」なんて略して言う人がいるんだけど、
そこまで略さなくてもいいんじゃないかと常日頃から僕は思ってる。


さて、乾いた僕の心と喉を潤すのには何がいいかな?
そこに意識を集中させつつポケットの中で小銭をジャラジャラさせる・・・。
この小銭をジャラジャラさせつつジュースを選択している瞬間って、ね、
結構シアワセだったりする・・・。


炭酸かい?コーヒーかい?
それともスポーツドリンクかい?
ビンか?缶か?敏感になっちゃったりもする。


しかし安いな〜っ、
さすがは高校の敷地内でござるな〜っ、
100円でお釣りが来るなんてさ、なんて優しい心遣いだろう・・・。
人とはここまで優しくなれるものなのかと僕は感動・・・。


はっ、感動?
缶どう?って言われたような気がして、缶の商品に決めた・・・。
ドデカミンがいいな。
ドデカミンのくせにちっちゃいんだけれど、90円なら致し方あるまい。
そこまでは甘えちゃいけないだろう・・・。


350ミリリットルの、ちっちゃなドデカミン
ちっちゃくたってドデカミン!ミンミン!


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ふと横を見ると、この高校の球児が自動販売機の順番を待っていた・・・。
おおっ、ごめんごめん、お先にどうぞと僕が言うと彼は、


「あざ〜っす!(ありがとうございます)」って、ね、
大きな声で礼儀正しく言ってくれたので嬉しかった・・・。


彼は100円を入れ、
迷うことなくドデカミンのボタンを押した・・・。


ポチっとな。


おお!何と言う潔さ!そして爽やかさ!
さすがは高校球児!
がんばれよ、がんばれよ、5本指ソックスは自分で洗えよ!
歯磨けよ!宿題しろよ!
それから、お釣りを取り忘れるなよ!


ドデカミンを飲んで大きくなりたまえよ!
わっはっは!
カキーン!って、ね。


オジサンもドデカミン・・・。


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しかし、ドデカミンのボタンに赤い売り切れの文字が点灯・・・。


う〜む、さっきのが最後の1本だったのか・・・。


僕が買っちゃわなくて良かった・・・。


ドデカミンだってさ、せっかくドデカミンになって売られているんだもん、
44歳のオッサンの喉よりもな、高校球児の喉を潤したいだろう・・・。
その方がドデカミン冥利に尽きるだろう・・・。


めでたしめでたし・・・。


ボクハ何ヲ買オウカ?