翼という名の少年のこと。

その少年が亡くなった事を僕が聞いたのは、昨年の初夏の夜の事でした・・・。
清瀬ポニーオフィシャルサイト管理人のきよぽオジサンから電話を頂いて知ったのでした・・・。


その後、ポニーで随分とお世話になっている後輩父母、
トクさん夫妻から詳しい話を伺い、


その少年の死は、それからずっと僕の心の中に澱となっていました。


思い出しては祈り、
思い出しては泣き、
その少年は僕の心の中で、忘れ得ぬ野球少年になっていました。


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すごい野球少年だったのだそうです。


シニアで活躍し、
夢をいっぱいに膨らませて東京から関西の高校へ進学したのですから、
彼の、その資質は充分に伺い知る事が出来ます・・・。


ですが彼は、練習の途中、
外野フライを追っている時に仲間と激突をして、
怪我をしました・・・。


その翌日、
寮でたった一人で休んでいた彼の容体は急変し、
そのまま亡くなってしまったそうです・・・。


お母さんに連絡したかったのでしょうね、
彼の手には、携帯電話が握られていたのだと聞きました・・・。


どんなにかどんなにか寂しかっただろう・・・。
どんなにかどんなにかお母さんに会いたかっただろう・・・。


僕も同じ・・・。
東京から、関西にある高校に進み、
寮生活を経験しました・・・。


とても恥ずかしい話なのですけれど、
今、44歳になっても時々、
その当時の、1年生だった頃の夢を見て、
うなされて起きる事があります・・・。


現在、高校生男子をお持ちのお母さんたち、
どうです?
生意気でしょ?
まともに話してなんてくれないでしょ?


でも、ね、
寮にいる少年たちは違うんです・・・。
み〜んな、そう、
どんなに屈強な少年だって、ね、
「お母さん・・・。」って言って泣いているんです・・・。


それをどうか御承知おき頂きたい・・・。


安易に、ね、
「夢を叶えるために15歳で親元を離れた立派な子・・・。」
なんて、
どうかどうか、そんな言葉を口にしないで下さい・・・。


今だってきっとそう。
「お母さん・・・。」って言って、ね、
みんな泣いているのですから・・・。


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翼くんもきっと、
どんなにかどんなにかお母さんの声を聞きたかった事でしょう・・・。


どんなにかどんなにか寂しかった事でしょう・・・。


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親御さんが来る前に、
どうしても彼を荼毘に伏したかった人たちがいて、


そこに隠されている何かをどうしても彼のお父さんは知りたくて、
闘いを始めました・・・。


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単なる義憤に過ぎないのかもしれないのだけれど僕は、
その少年のお父さんの側にある者です・・・。


今、まさに闘いのマウンドに立とうとする翼くんのお父さんを、
ブルペンで肩を暖めながら見守る者です・・・。


翼くんのお父さんは、
日本中の、野球少年を持つ親父たちにとって、
絶対に捨て置けぬチームメートなのだと僕は思います・・・。


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署名の紙を持ち、
僕はあらゆる仲間たちを訪ねようと決めています・・・。


どうかどうか、御賛同下さい・・・。