取引先E社の社長Nさんは、
韓国出身のセレブマダム。


仕事の件で電話するのだけれど、
その都度すご〜く緊張する・・・。


トゥルルルル・・・、
トゥルルルル・・・、


カチャ(Nさんが受話器を取った音)。


も、もしもし、
も、もしもし・・・、
フクヤママサハルじゃないです、僕です・・・。


と、僕が言うと、


「・・・解ッテイマス、大丈夫デス・・・。」って、


必ずNさんは答える・・・。


何が大丈夫なのかよくわからんが、
それが毎回恒例の挨拶になっている・・・。


う〜ん、マダム、
受話器越しに香水の香りが薫りそうだぜ・・・。


仕事の話が終わると、
Nさんが言った・・・。


「アナタ、韓国ナラ俳優二ナッテタ・・・。」


わっはっは!
カキーン!だ。
素直に褒め言葉だと受け取ろう・・・。


なにせ、60歳間近にしてクレオパトラ並みの美しさのハイヒールだ・・・。
マジで痛くない程度だったら踏んでほしいもん。
そんでもってお肌なんかな、お正月の伸し餅みたいな光沢感の人だもん、
ギリシャ彫刻のビ〜ナスみたいなんだ・・・。


本来の僕のストライクゾーンじゃないんだけどな、
お、おう、
こんな高めにバットが反応しちゃうのは初めてだぜ、ベイベ・・・。


こ〜んな美人を作るなんて神様は不公平だよな、
野球の母ちゃんたちよ・・・。
にゃんだかあなたがかわいそうすぎる・・・。


しかしNさんは美人だ・・・。
嘘やお世辞は言わないタイプのマダムだ・・・。


そ〜んな美女が、な、
僕は韓国なら俳優になってたなんて言ってくれたんだぜ・・・。


へっへっへ、
日本ノミナサンハジメマシテ、
僕ハ韓流スターデス。


マッコリをモッコリだなんて言うしょ〜もねえ親父は誰?
僕が許さないぜヤキニクヨロシク!


名前?


ヌラ・リヒョンってどうだ?


カムサハムニダ