美しい野球だった・・・。
それは、魂を揺さぶるほどの美しい野球だった・・・。
高校野球を30年以上見ている僕なのだけれど、
これほど美しい野球を見たのは初めてだった・・・。

こんなにも大きく立派なスタジアムをなあ、
感動の渦で包み込んでしまったのは一人の詩人だ。
そう、野菜パワーのKさんだ・・・。


野球とはドラマチックな一遍の詩だ・・・。
一遍の詩を懸命に紡ごうとするプレーヤーだけが人々を感動させる事が出来る。
美しい野球を魅せる事が出来る・・・。


美しい野球だった・・・。
Kさんが少年たちの純粋な想いを重ねて光にし、
ひとつの熱光線のようにして僕らの胸を射抜いたのだ・・・。
一条の光は、僕らの胸を射抜き夜空を照らした・・・。


美しい野球だった・・・。
美しい野球だった・・・。


その少年たちの夢や憧憬は、そして星になった・・・。


燦然と煌く野球の星になった・・・。


この試合のグラウンドに立った両校の選手諸君よ!


夜空を見よ!
星を探せ!
いいかい?あの星は君の野球の星だ!


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胸を感動の光で射抜かれた僕は、
焦がれるという言葉の意味を考えた・・・。


Kさんという一人の高校野球指導者が、な、
少年たちを真実の甲子園に連れて行く瞬間を僕は見たのだ・・・。


美しい野球だった・・・。
美しい野球だった・・・。


美しすぎる野球だった・・・。


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宝塚歌劇団創設者の一人、
作曲家の故・須藤五郎さんが語っていた言葉を僕はここに記そう・・・。


「美しい人間が、美しい音楽を創る!」


それが野球にもあてはまるのだと僕は知った・・・。