■
サッカーについてはやはり僕は門外漢だから、ね、
正直に言うとその名は今回の悲しい出来事で初めて知った・・・。
松田直樹選手・・・。
その姿を繰り返し流しているテレビのニュースを見ながら胸が詰まる・・・。
「オレ、サッカー好きなんですよ。
もっとサッカーしたいです。」
その言葉は輝いていて、眩しいと思った・・・。
天に届かなかったのだけれど・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その人生の最後の一瞬まで全力疾走した男の事を胸に深く刻もう・・・。
全力で疾走する男の美しさをあらためて強く感じた・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
松田選手が入院した病院の敷地内にある大学に、
その前日、僕は息子といたのだった・・・。
息子と同じようにその道を志す多くの受験生を見た。
やせたガリ勉タイプばかりだと想像していたのだが違った。
あきらかに球児だったとわかるヤツも結構いた。
その姿を頼もしく思った。
街のすぐ傍にそびえ立つ雄大な山々の姿に感動をして、
願わくばこの街に息子を育ててもらいたいと願ったのだった・・・。
つくづく大変険しい道を息子は志したものだと思う。
救ってあたりまえ。
救えなければ恨まれる。
これ以上に過酷な職業もあるまい・・・。
理不尽な仕事もあるまい・・・。
未来のJINたちよ、
君らはどう疾走する?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
松田直樹選手の御遺体は、ね、
サッカーのユニホームを纏っているのだそうだ・・・。
天の号泣のような激しい雷雨が降る。
松田選手を救おうとしたJINがいた。
きっと、懸命になって助けようとしたJINがいた。
人生には理不尽が溢れている。