いよいよこれが最後の最後。
送別試合を観戦するために息子の高校の野球部グラウンドへと赴く。
例年行われている行事のひとつなのだけれど本当に感慨深い・・・。
3年生対2年生のガチンコ勝負は手に汗握る愉しさでもあった・・・。


3年生部員31名&女子マネージャー3名。
あらためて僕は思うのだけれど、つくづく素晴らしい仲間たちだ。
そりゃそうだ、高校時代のなあ、
人として一番心も身体も柔らかな時期を家族よりも長く過ごしたのだからな。


まこと財産とは、友だ。
どんなにお金を積んだとしても得られぬ唯一の宝とは、友だ。
このグラウンドを駆ける彼らの最後の勇姿を僕は、
しっかりと目に焼き付けた・・・。


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送別のゲーム終了後、記念撮影。
全部員数、なんと108人がひな壇に並ぶ。
うむ、人間の煩悩の数と同じ108人。
だが、野球のボールの縫い目の数とだって同じ・・・。
いいじゃないか、いいじゃないか・・・。


写真屋さんのオジサンの強烈なキャラクターに皆が笑顔になる。
「お〜い!4段目のそこのボク!しっかり前を向いてっ!はいチ〜ズ!」
パシャッ!


1,2年生が下壇し、そこに我ら父母が入れ替わり登壇。
圧倒的な人数であった。
「は〜い!顔と顔の間に顔を出して下さいっ!はいチ〜ズ!」
パシャッ!


写真屋さんのオジサン・・・。
イイ感じ・・・。
ところで、バイ・ザ・ウエ〜、
写真屋さんとカメラ屋さんって違うのだろうかと僕は考えてみたりした。
こうして出張撮影をしてくれたりするのが写真屋さんで、
お店でカメラを売っているのがカメラ屋さんなのだろうか?
だが、お店でカメラを売っているカメラ屋さんのオジサンが出張撮影に来たらその瞬間に、
カメラ屋さんは写真屋さんになるのではないだろうか?
そうするとカメラ屋さんと写真屋さんの明確な分類は難しいのではないか?
戦場カメラマンの渡部陽一さんがお店でカメラを売ったらカメラ屋さんになるのか?
でもな、カメラ屋さんが戦場に行かなくてもいい世の中であってほしいとも思う・・・。
カメラのあられ・おせんべい。


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全体写真が終了した後、
家族写真の撮影が始まる。
1家族3枚ずつ撮ってもらえる・・・。
その内2枚は普通の家族写真なのだけれど、3枚目はフリーだ。
それぞれの親子がポーズを考えて撮影に臨んだ・・・。


我が家はカミさんのたっての希望により、
な、なんと僕が息子を肩車する事になった。


野球を習い始めたばかりの小学1年生の息子を僕が肩車している写真があり、
その写真の横に並べて飾りたいから肩車をしろと無理難題を言う。


カミさんよ、無理難題は無理なんだいっ!
自分よりデケエ男を肩車なんて無理なんだいっ!
って言いつつ僕は息子の股間に頭を差し込む・・・。


よいしょっ!
う〜ん、よいしょっ!
よいしょっ!ってね、僕は円蔵師匠かいっ!
よいしょっ!


出来たぞ!肩車!
45歳の親父が17歳の息子を肩車だ!


「おおっ、お母さんっ、お父さんの腰を支えてっ!」
おおおおおっ、写真屋さんのオジサン、ナイスフォロ〜・・・。
パシャッ!


写真の出来上がりが楽しみである・・・。
どんな顔をして僕ら親子は写っているだろう・・・。


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息子の野球の最後の日。


僕らの野球は肩車で始まり、肩車で終わったんだ・・・。


なかなかどうして素晴らしいじゃないか・・・。


息子の野球を通じて出逢えたすべての人たちに感謝・・・。


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腰が痛え!


帰宅後、湿布を腰に貼る。
これが本当のスポーツマン湿布!


お後がよろしいようで・・・。