手が遅い職人


僕は、手が遅い職人だと言われ続けていた。
誰よりもいちばん手が遅いヤツだと言われ続けていた。

なぜなら僕は、楽しみながら仕事をしているからだ・・・。
誰よりもいちばん楽しみながら仕事をしているからだ・・・。


他の人よりも丁寧に時間を掛けて創るから手が遅いのだ・・・。


だってさ、
創るヤツが楽しんでいない品物が、
お客さんをシアワセに出来るワケがねえだろ?
そんな単純な事にさえ宝飾業界の99.9%のヤツは気付いてね〜のさ。


結局、
現在もこの道でメシを食ってるのは、なあ、
いちばん手が遅かった職人の僕だけじゃねえか・・・。


では、仕事仕事・・・。


英語で言うとワーキング。


でも、手が遅いと稼げないので、
正確に言うとワーキング・プアなり。