「あんな大人になりたくねえな。」
中学生や高校生の君らのように、ね、僕もまた10代の終わり頃までそんな事を考えていたよ・・・。


「あんな大人になりたくねえな。」
そう思いながら、そしていつもそれを心掛けて生きてきた僕は、
あんな大人にはならないで済んだのだけれど、こんな大人になってしまいました・・・。

ギターに弦を張り、ジャラランと弾いてみると痛いぞ、うん、指先がすっかりプニョプニョになっていて、弦を押さえると痛いので困る。
僕は、人一倍痛みには弱いタイプの男だからな・・・。


ギャフンと言ってやろう・・・。


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ジャラランだぞ、ジャララン、
わっはっは、ジャラランだぞい、ギターは健在!


キュッキュと拭き拭き、ギターを拭き拭き。
キュッ、キュッ、キュキュキュのキュ、僕はオバケのキュ〜太郎。


ギターに詳しいヒトならご理解頂けるだろうが、
このS・ヤイリは岐阜のギター職人のあのヒトが作った総単板ギターだ。
そのヒト自身の手によるほぼ最終期の1本だ。


単板ってのは、さ、弾きこんで自分で音を育てなきゃいけないんだよな・・・。


20年仕舞いっぱなしだったからな、音がくぐもっているよ、
どうしよう、同志よ。


まあ、いい。
これでよし。

ジャララ〜ン。