たのしい草野球。

あのなあ、僕は思うのだが、
世の中で一番格好イイ奴って、さ、
ズバリ!「草野球の試合に彼女を呼べる奴(但し、投手限定)」じゃないだろうか?


「オマエだけのためにオレは投げるぜ!」とか何とか言いながらグラウンドに来たに違いない。
チキショ、嫌なヤローだね、まったくもってけしからん。


だが、それが出来るマウンド上のアイツは、相当格好イイ奴だ・・・。
高校の文化祭ロックバンドのヴォーカルみたいな位置づけだ。


まず、これほど自分の野球の腕に、な、
絶対の自信が無ければ出来ぬデートのシチュエーションは他に無いだろう。
それが出来るアイツは、マジで相当格好イイ・・・。
どことなくキムタクに似ている・・・。


「キャ〜素敵!」ってなモンさ。
見てごらんよ、アイツの彼女の目のカタチは、すっかりハート型だぜ。
いわゆるひとつの「釘付け」って心理状態さ。
男冥利に尽きるってえのは、まさしくマウンド上の現在のアイツの状況そのものだと言えるだろう。


「ウチゴロ・ウチゴロ〜!」ってか?
おいおい、もっと元気良くそれを言え!叫べ!
しかしマジで速えな、コントロールも抜群だ・・・。
なにしろアイツは5年前のK高のエースだったそうだがビビルなよオメーら。


きっとアイツは弁当だってな、汗臭いチームメートと一緒になんかは食べないんだろうな。
土手だな、うんうん、たぶん土手だよ、土手に行くだろうな、恋人同士で、な。
土手にドテっと腰掛けて、彼女と二人だけで並んで食べるんだろうな・・・。
「ア〜ンして。」な〜んて言われちゃってな。
♪ふ〜たり〜のため〜 世界はあるの〜♪
な〜んて唄が二人の心の中にBGMとして流れているに違いあるまいて・・・。


おいっ!見てみろ、彼女手作りのサンドウィッチだぞ!
他の奴らの食ってるオニギリとは雲泥の差だと言わざるを得まい・・・。


おい、悔しいだろ?
あ〜んなに可愛い彼女を連れてきて、
ものすご〜く速い球を投げてるぜ、アイツ・・・。
がんばれよ、打席のオメーよ。
彼女いねえんだろ?残念だが顔を見れば解る・・・。
恨むなら親じゃない、マウンド上のアイツだ・・・。


打ってやれ!
意地を見せてやれ!


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お盆休みの真っ只中、
草野球の若者たちにも幸あれ!