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そうそう、そうなんだよ。
自分ちのトイレにて小用を足す際、
立って足すか腰掛けて足すかは男の矜持に関わる問題だろう?
足してもダメなら引いてみな。
自らの人生の中に於いて、男は如何に生きるべきかと己の胸にその問いを突きつけ、
苦悶しながら答えを探しているオヤジの仲間は多い事だろう・・・。
いい、いいんだよ、
同年代(四十路半ば)の野球なオヤジの仲間たちよ、
子供らからは疎んじられ、
妻なる者からは軽んじられし我が同志よ。
そう、市の、さ、
少年野球の団体で偉くて中心的に活躍してるヤツほど、
普段の仕事ではダメ人間なのだ・・・。
僕は愛しいのさ、そんなダメ人間な野球のオヤジの仲間が、な。
ダメ人間は、なあ、
営業所でいつも上司から怒られてばかりいて、
その怒られた言葉をまんま子供たちにぶつけているのだ・・・。
「厳しくても良いコーチ」な〜んて言われているのだけれど、
要するに仕事は出来ないダメダメ人間なのだ。
いい、いいんだよ、それでいいんだ。
僕は、あなたがたまらなく愛しい・・・。
オヤジよ、オヤジの仲間たちよ・・・。
僕は、あなたとこの苦しみや悲しみや、沸々と湧き上がる熱き鼓動を共有する者である。
いい、いいんだよ、それでいいんだ。
葛藤を覚えながらも立って小用を足し続けましょうや。
四つん這いで床を拭いたっていい、
腰掛けて小便をするよりもよっぽど男らしいじゃないかい?僕らは、よう。
忘れないでほしい。
愛すべきオヤジの仲間たちよ・・・。
あなたが自分ちのトイレで立って小用を足している時、
僕のような者だが屹立して小用を足している仲間がいる事を・・・。
忘れないでいてくれ。
僕はあなたを孤立させはしない・・・。
「やめてよね!
座ってオシッコして頂戴っ!」ってな、
君の愛する妻は言うだろう・・・。
愛する妻のために、座って小用を足すようになった仲間も多いだろう。
だが、僕らは彼らを責めるまい・・・。
それもまた一つの愛のカタチであるのだから・・・。
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威風堂々、正々堂々、
僕は自分ちのトイレで立ったまま小用を足す。
見てくれ!
否、見ちゃ嫌ん・・・、
とにかく仁王立ちだぞ!
仁王立ちでジョビジョバだっ!
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その後、四つん這いになって床を拭き拭き・・・。
すると、四つん這いになった僕を背後からミニチュアダックスのタロウが抱きしめてきた。
抱きしめて腰をカクカクしやがった・・・。
タロウがミニチュアダックスで良かった。
もしもタロウが大型犬だったらと思うとゾッとする。
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原発再稼動反対!