焚き火の前のオヤジたち

白/赤の野球帽を被ったジャージ姿のオジサンたちが僕らの後輩。
現役の清瀬ポニーのオヤジたちさ。
まさしく今、この第2グラウンドの光景を熱きものとして、
その胸に刻み込もうとしている後輩オヤジたちが愛しいよ・・・。
愛しくて愛しくてたまらん・・・。

焚き火ドラム缶の前に佇む現役清瀬ポニーのオヤジたちを、な、
いきなり僕は背後から抱きしめ、耳たぶを甘噛みしてやりたいとさえ思う・・・。
焚き火のせいで小さな穴が無数に開いちゃったジャージを着ている彼らが愛しい・・・。


ウエさんよう、クマおじさんよう、ニッさんよう、シマさんよう、
30期オヤジの仲間たちよう、
あの日の僕らと同じ目をしたオヤジたちが焚き火の前にいるんだぜ。
嬉しいよ、嬉しいよ・・・。


30期オヤジの仲間たちよ、
それから全ての先輩オヤジの仲間たちよ、
目の前の現役オヤジに僕が背後から抱きつき、
多少臭いだろうが耳たぶを甘噛みする事をアナタは許してくれるかい?


がんばれがんばれ!って・・・。


え?
それはダメよってか?
でも、それ位愛しい・・・。


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たぶん、この感情は、なあ、
現役の清瀬ポニーのオヤジに向けてだけじゃない。


小学生の、中学生の、そして高校生の、なあ、
野球小僧を持つ全ての現役オヤジに向けての感情だ・・・。


子供がたとえば10嬉しい時、オヤジは11嬉しい。
子供がたとえば20悲しい時、オヤジは40悲しい。


野球だけじゃねえな、全てだよ、全てに於いてだ。
それがオヤジというものだ・・・。


がんばれがんばれ!


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清瀬第2グラウンドの冬の匂いを嗅ぎながら、
僕は、心の中で唄う・・・。


♪き〜よせ〜 こ〜のよ〜る〜
 ほ〜しは〜 ひ〜かり〜♪