なめこ
真夜中、電子音がして目覚める。
グワッ、ギュワッ、グリグリッ、グリグリッ、
キュイ〜ン、キュイ〜ン、
グワッ、グワグワッ、キュイ〜ン、グリグリ・・・。
寝惚けた僕が目をこすりながら横を見ると、
カミさんが買い換えたばかりのスマートホンを手に持ち、
真剣な眼差しで指を動かしていた。
グワッ、ギュリギュリ、キュイ〜ン・・・。
おい、何やってんだよと僕が言うと、
「なめこの収穫。」
グリグリッ、グリッ、キュイ〜ン、グリ・・・。
朝になってからやれよと僕が言うと、
「ダメ、カビが生えちゃうの。」
グワッ、ギュワッ、グリグリッ、グリグリッ、
キュイ〜ン、キュイ〜ン、
グワグワッ・・・。
「終了。」
そう言うとカミさんは、またすぐに熟睡・・・。
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たぶん、我が家の明日の朝食の味噌汁の具は、
・・・なめこ。