青春のG-3

「この老人のお願いを聞いて下さい・・・。」
とか、
「こんな老人のために・・・、」
な〜んて、ね、
古稀のお祝いの席で清瀬ポニー、島田総監は挨拶の中で何度も口にした・・・。


でも、ね、
ポニーのオヤジの仲間の皆さんは薄々感じているだろうけれど、
そうそう、そうだよ、
そもそも総監は自分の事を老人だなんて思っていないって・・・。
これっぽっちも本当は老人だなんて思っていないんだよね・・・。


ただ、それを聞いたお母さんたちは真に受けてウルウルしてただろ?
もらい泣きしちゃったお母さんもいたろ?
そうそう、そうだよ、そうなんだよ、
そこが総監の作戦なんだよ・・・。
名付けて、「弱くなっちゃったフリ作戦」だ・・・。
まったく、なんて男だ・・・。


中学生のエース級の投手が真剣に投げた球を、な、
フルスィングして外野フェンスまで弾き返す男が老人なワケないだろう・・・。


島田総監は老人なんかじゃない・・・。
永遠にカキーン!な青春G-3だ・・・。


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老人のためにグラウンドへ行くのではなく、
青春G-3から元気を分けてもらうためにグラウンドへ行こう・・・。