劣化する時代

少し前の、それは悲しい事故であった。
ニュースにもなっていたからね、ご存知の方も多いだろうと思う。
高速道路上に停止してしまった乗用車に、前方不注意の大型トラックが衝突して、
若いお父さんと小さな男の子、そして赤ちゃんの女の子が亡くなった。


アクセルを踏んでも車が反応しなくなったというお母さんの証言を自動車メーカー側は否定し、当初はガス欠が原因だと主張していたが、
同型車に乗るユーザーから同様の症状があるという声が多く寄せられ、とうとう欠陥を認めざるを得なくなった。


原因は、コストの安い他国で作らせた燃料噴射装置関係の部品の異常だと言う。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


劣化という言葉の意味を、本当に本当に重たく感じる・・・。
これは、僕らの国の劣化そのもののような事故だよ・・・。
コストの安い国で作らせた部品を寄せ集めて組み立てた車は、もはや日本車とは呼べないんじゃないかと思うし、
大型車を運転する人の前方不注意って事故が増えているのは何故だ?
ゆっくりと休息出来る労働環境すら彼らに与えられていないのは何故だ?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


一つの家族が失われてしまったよ。


悲し過ぎる事故だ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


一瞬にして夫と幼子2人を失ってしまったお母さんは、
どれだけの涙をこれから流さなければならないのだろうか・・・。