夏の忘れもの

小学校4年生の野球小僧Yくんは現在、
毎日放課後に居残りをして、算数ドリルに取り組んでいるのだそうだ。
すごいでしょ?
何がすごいのかと言うと、
居残ってまでドリルに取り組む姿勢がすごいのではなく、
そのドリルが夏休みの宿題であるという事がすごいでしょ?


9月末、
この期に及んで夏休みの宿題に追われている野球少年は、
日本中探しても間違いなくYくん唯一人であろう。
オンリーワンの野球人だと言えよう。


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正真正銘、彼は本物のお馬鹿である。
筋金入りの、骨太のお馬鹿である。
担任の先生や御両親も困っているのだけれど、
一番困っているのは本人だ。


でも、問題の本質から逃げずに正面から向き合っている姿勢を持っているとも言える。
ある意味(限定的ではあるが)、偉いのではあるまいか?


大人の世界にあてはめて考えてみるといい、
ここまで真摯に問題の本質と向き合える人間は皆無じゃないか?


並みのレベルの大人だと、お酒に逃げちゃったり、
部下や立場の弱い人に責任を擦り付けてしまったりするんじゃないか?


9月末に夏休み版算数ドリルでYくんが学んでいるのは、ね、
算数ではなく、たぶん、生き方そのものなんだよね。


それにしても良い担任の先生だな・・・。


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夏の忘れ物は無いかい?