半日が経ち、タロウをペットホテルまでお迎えに行ったところ、
受付で会話をする僕ら夫婦の声が聞こえたのだろうな、
ヤツは奥から「ヒヒャ〜ン!」と鳴いてから「ワンワン!」と吠えて騒いだ。
「ヒヒャ〜ン!」は きっと、「あっ、父ちゃんと母ちゃんだ!」って犬語だったに違いない・・・。


スタッフの これまた綺麗なお姉さんに抱っこされて現れたタロウは、
僕の胸に飛び込み、ヒシとしがみ付いてきたんだよ。
見ると、タロウは目に涙を浮かべていた・・・。
父ちゃん、父ちゃんって・・・。


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ペットホテルのスタッフさんにカミさんが伺うと、
「最初は良い子にしていたのですが・・・。」だったのだそうだ。


タロウにしてみれば、綺麗なお姉さんに抱っこされてイイ気になっていて、
ハッと気付けば僕の姿が見当たらず 悲しくなっちゃったといったトコだろう・・・。


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帰途は、なにしろタロウが僕から離れなくなってしまったので、
カミさんが運転をしてタロウを抱いた僕が助手席。


車中は ずっとタロウの話題であった。


子供が成長して巣立った後、
よく犬を子供のように可愛がっている老夫婦っているでしょ?
そんな気持ちが理解出来るようになりつつある僕ら夫婦だ・・・。


我が家の犬は歴代ずっと裸んぼなのだけれど、
これからは洋服を着せたり、帽子を被せたりするようになるかもしれません・・・。