こんなにもゆっくりと所沢で過ごしたのは実に20数年ぶりの事である。
プロペ通りを抜けてファルマン通りを横切り、
西所沢方面へと向かう道に面した界隈に往時の町並みの面影は無い。


なんだか浦島太郎になったような気分がした・・・。


それでも昔々、
愛娘の初節句雛人形を買ったお店はまだあって、
周囲のケヤキの道を歩きながらカミさん共々ホッとした。
もしもこれであのお人形屋さんが無くなっていたら相当寂しかっただろうと思う。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


晴れ着姿の振袖の新成人の女の子たちを幾人も見掛けた。
みんなそれぞれ綺麗で可愛らしくて眩しいものだ。


振袖姿ってイイね、
無い袖が振れない僕が言うのも恐縮だが、
振袖姿の新成人の女の子たちは全員可愛いと思うぞ。


2年前に愛娘が着た晴れ着と同じ色の着物の女の子を見つけて、
「やっぱり可愛い色だね、あの色にして正解だったね。」と、カミさんが言った。


どの子もみんな幸多かれ。
シアワセな人生を歩みなさいよと願う僕らは40代後半。
あっと言う間にこんな年齢になっちまったぞ・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


成人式を終えた後、
小学校卒業時に校庭に埋めたタイムカプセルを掘り出したりする事が最近のトレンド。
オトナから見れば僅か8年前の記憶なのだが、
新成人たちにとってこの8年間は人生の中で最も大きな変身を遂げた時間なのだからね、
掘り出したタイムカプセルの中の手紙やら絵は感慨深かろう・・・。


こんなに大きくなりました。
こんな夢を持って今を生きています。
小学校を卒業したばかりのあの頃の自分に伝えてあげておくれ。
君は、君の、心の中で・・・。


幼い日の自分に恥ずかしくない今日の自分であるために・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


再び僕ら夫婦は来た道を戻り、
途中、また幾人もの新成人たちとすれ違う。
まったくもってその都度僕らは親目線なりけり。


その後、
西武の「獅子」で食事。
カミさんは酢豚を、僕は五目焼きそばを食べた。
美味しかった。