朝、
夜勤明けのカミさんを迎えに行き、
スーパーで買い物をしてからそのまま昼ゴハンのために100円寿司へ。


看護師さんの夜勤の場合は、明けたらこうして帰宅後は寝られるのだけれど、
お医者さんの当直の場合は、明けたらそのまま普通に翌日の勤務なのだそうだ。
たとえ少々の仮眠が取れていたとしても、相当キツイだろうなと思う・・・。


いろんな仕事がある。
缶コーヒーのコマーシャルじゃないけれど、世界は誰かの仕事で出来ている。
誰かの仕事と自分の仕事が必ずどこかで繋がっていて、そして世界は回っている。
アナタが寝ている時に、仕事をしている人がいる。
アナタが仕事をしている時に、僕は寝ている。
アナタの仕事も僕の仕事も、どこかで誰かを笑顔にしている。
かもよ。


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車を停めて、100円寿司のお店の入り口へ向かっている時、
たぶん2歳にもなっていないだろう小さな男の子がお店から出てきた。
一人で、ヨチヨチ揺ら揺らフワフワと踊るような足取りで、
そのまま交通量の多い小金井街道方向へ歩き始めた。


危ない!って、周囲にいた大人の誰もが思ったはずだ。
その大人たちが走ったとしても間に合わない微妙な位置に男の子はいた。


僕がウワアッ!と大きな声を出したら、ね、
その男の子は立ち止まり、僕を見て、こちらに向かって歩き出してくれた。
実に小金井街道まで50cm程のところだったから、危機一髪の場面であった。
カミさんは驚きのあまり声さえ出なかったと言うし、
他の大人の人も顔が真っ青になっていたからな、本当に助かってくれてホッとした。


ホッとした瞬間に、なんだか腹が立っちゃってな、
親は何処だ!って探した。


見ると、100円寿司のお店のレジの所に、その男の子の母親と祖母がいて、
「お義母さん、ここは私が、」
「いえいえ、私が払います。」
なんてな、二人とも財布を手にしての奢らせて合戦の最中であった・・・。


僕は、その二人に思い切り注意させてもらった。
子供から絶対に目を離すな!って。


お願いだから小さな子供からは目を離すな!って。
男の子の母親と祖母は平謝りだったけれど・・・。


「あの子の命の恩人だね。」と、カミさんから僕は言われて、
その「命」という言葉の響きに僕は足が奮えた・・・。
怖くなって足がガクガクと奮えた・・・。


小さな子供が目の前で車に跳ねられたりなんかしたらさ、
間違いなく僕は心臓がつぶれてしまう程の気の小さな男だとあらためて感じた。
小者である。


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小さな男の子が無事で万事オッケ〜だったのだが、
なんだか僕は精神的ダメ〜ジを受けちゃって身体が奮えちゃってな〜、
100円寿司は14皿しか食べられませんでした。