おもしろかわいそう

仕事で御徒町にいた僕に、カミさんからメールが届いた。
笑顔の絵文字と共に、「はやと、たぶん骨折らしいよ♪」とあった。
音符マークや笑顔の絵文字は、肝の据わったカミさんならではのものだ。


昨日の練習から帰宅後も息子は走りに行き、長く素振りをしていた。
なんだかな、いきなりデビュ〜戦でスタメンとかおだてられ、
スパイクのインナーソールや用具のお手入れアイテム等も買い揃えたりなんかしていて、ね、
それはそれはC医大との対戦を楽しみにしていただけにかわいそうだ。
かわいそうだが笑っちゃう。
僕に観に来るなと言った罰が当たったんじゃないかと思う。
おもしろかわいそうだ。
いいクスリです。


徳分以上のシアワセの中にいると、このような事態が起きる。
大切なのは、どのような状況下にあっても現在を喜び味わう心を持つ事。
二十歳を過ぎたらね、徳を積むだけではなくってさ、徳を磨く事も大事なんだよ。
いい勉強になります。


昼間の時点では未だ詳細は不明。
だが、大学病院敷地内のグラウンドに於いての出来事だし、
なにしろ既にオトナなのだから親の心配は無用の介なり。
音符マークと笑顔の絵文字をメールに添えるカミさんは流石、我が連れ合いだ。


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夜、左手を吊った息子を駅まで迎えに行き、詳細を聞く。
スライディングの際に左手甲にヒビとの由。
ナースの卵の女子マネージャーさんに付き添われて、救急外来で診て頂いたのだそうだ。
30代前半の整形外科の先生はOBでもある先輩で、
まるでレントゲン写真の読影の講義のような診察であった模様。


良かったじゃないか、自分のレントゲン写真が教材で・・・って、父ちゃんは思うよ。
今後は父ちゃんに野球を観に来るな!なんて親不孝な事を言わないことだな。


治療後にグラウンドへ戻ると先輩たちが待っていてくれて、
夕飯をごちそうしてくれて最寄り駅まで送って下さったとのこと。
感謝とシアワセを噛み締めなさいよ。


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ある意味で、鮮烈な野球デビュ〜だ。


おもしろかわいそう・・・。