幾三 1

息子のトモダチのAくんが泊まりに来た。
息子の、2浪の辛苦を共にした予備校野球部(?)のチームメートだ。


青森県出身で、2年間を東京の寮で過ごし、現在は北海道で学ぶ医学生だが、
件の大会出場のために関東へ来ており、彼のチームも予定より早くに敗退してしまったので、
帰郷を少々先延ばしにして、お泊りに来たのだ。


彼もまた、元・高校球児。
その夏の県大会ベスト4の強豪校にいた野球小僧だ。


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「お邪魔しま〜す!」って、ニコニコ笑顔で、ね、
こんなにも最初からリラックスして緊張感ゼロで我が家に泊まりに来た息子のトモダチは初めてだ。
なんだかな、若き吉幾三さんみたいだ。
吉幾三さんを若くして格好良くすると、こんな感じだろうな。


息子の仲間の様々な野球小僧を見てきたが、
このAくんのキャラクターはサイコーじゃないか?
秀逸の明るさと楽しさを併せ持ったナイスガイで超面白い・・・。


よ〜し行くぞう!って我が家に来たのだな、
よ〜く来たぞう!って言ってあげよう・・・。


それにしても可愛いヤツだ。
ちっちゃかった頃、おそらくこんな顔だったのだろうなと分かる位の可愛い野球小僧であった。
野球の話をする時の表情がたまらなくイイ・・・。


こんな男が肛門科の医者になってくれたら良いのになと思う。
たとえ痔になっちゃったとしても恥ずかしさを感じることなく診て貰えるぞ、きっと・・・。


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幾三くんよ、また来いよ、
我が家は、ね、
何泊したってオッケー牧場だ。
と、帰り際に言ってあげたところ、


「また明後日 来ます!」って返答を得た。


笑顔で手を振り、
とりあえず一旦 帰った。


どこに帰るのだろう?
青森か?
青森の実家にとりあえず野球道具を置きに行ってから、な、
すぐに我が家に引き返して来るのかな?


そんな感じがする。