下町、工場の人情劇場

墨田区にあるプレス屋さんへ、頼んでいた品物を取りにダ〜ドトバコ。
大通りに面したコインパーキングに車を停めて、細いほそ〜い路地を歩きメデス。
もう金型は預けっぱなしなので、手ぶらだからさ、歩いて行くのも九(く)にならないよ、
概ね七から八ってところさね・・・。


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しかしな〜、
こ〜んな細い路地の奥にあるプレス屋さんの前にな〜、
どうして2トントラックが停められているのかは未だに謎のまんまだ・・・。


使っていないのかもね、2トントラック・・・。
車体のどこにもブツけた跡や擦った跡も無い綺麗な状態だし、
もしかしたら工場から部品を全部取り寄せてさ、
この場所で組み立てた2トントラックかもね。


組み立てて完成したはいいものの、
「あれれ〜っ?ここから出せないぞ!」って気付いて、
仕方なく置きっぱなしにしているのかもしれない・・・。


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プレス屋さんの工場長と仲良くなった。
年齢は僕よりも10歳ほど上だろうか、なかなかの好漢である。


一発でここまで打ち抜けるなんてスゴイ技術っスね〜っておだてたら、さ、
よっぽど嬉しかったのだろうな、
それ以後、どんな無理でも聞いて下さるようになった。


職人ってえのは、おだてられると木に登っちゃうんだよ、
僕だってそうさ、いわゆるひとつの褒められて伸びるタイプの男が多いのさ。


来月、
一緒に銭湯へ入り、その後ヤキトリを食べに行こうという話になった。


僕は、町工場や、そこで働く職人が好きだ。


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あの2トントラックの謎についても、な、
その時に詳しく聞こうと思う・・・。