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それは、Yくんが大学1年生の夏の大会での出来事。
とても暑かった夏の、ちょっぴり切ない記憶・・・。
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レフトを守るYくんを見て、ベンチで監督は言った。
「 ややっ、アイツ、なんだかモジモジしてないか? 」
そう、
あまりにも守備の時間が長くて長くて、
Yくんは激しい尿意を必死で堪えていたのであった。
モジモジ、くくぅ、モジモジ・・・、
くくぅ、モジモジ、モジモジ・・・、と。
モジモジ程度で耐えられる尿意なら良いが、
モジモジ+内股レベルにまで尿意が達するのは時間の問題であった。
溢れ出る若き情熱、
ほとばしる青春のオシッコ。
モジモジ、くくぅ、モジモジ・・・、
内股&つま先立ちになりつつモジモジ、モジモジ・・・。
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そしてカキーン!とな、
打球は情け容赦なくレフトへ飛んだ。
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限界まで尿意に耐えていた状態からいきなりダッシュしたらどうなるか、
それはまさしく悲劇であった。
「 おおっ!ナイスキャッチ! 」
ベンチでは歓声が沸いたが、その歓声はすぐにゲゲゲ!の声へと変わった。
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おもらし小僧のレッテルを貼られ、
Yくんは志望していた外科の医師ではなく、
呼吸器内科の医師となった。
現在、38歳・・・。
オシッコの近いヤツは外科医には向かないのだと、
Yくんに教えてくれたのは野球であった・・・。
手術時間が長いとモジモジしちゃうので。
おもらし先生とか呼ばれたくないので。
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モジモジ、くくぅ、モジモジ・・・。
でも、
そんな状態にあってでも捕球のために全力で駆けたYくんの青春って素晴らしいんでないの?