僕らが結婚をして最初に住んだ恩多町のアパートは、
かつて刃傷沙汰の惨劇の現場となった いわゆるひとつの 理由(ワケ)あり物件 であった。
休日が合う度に二人で不動産屋さんを廻って、ようやく安い家賃の部屋を見つけたのだがな、
安いには安いなりの理由(わけ)があったってワケよ・・・。


きちんと事情を話してくれた不動産屋さんの営業マンに向けてカミさんが言ったのは、
「 そんな事より、風呂釜の追い焚き機能が無いのが気になる。 」であった。


僕は24歳、カミさんは誕生日前だったので23歳、
♪ 若かったあの頃〜 何も恐くなかった〜 ♪
ただ、お風呂で追い焚きが出来なかったのは、本当に不便であった・・・。


でも、それまで僕が住んでいた部屋には、風呂そのものが無かった。
それに比べりゃアナタ、ありがたかったユニットバスよ。



幽霊なんぞ出ず、
不吉な出来事も一切起きず、
むしろ、
ウチの愉快な娘は、そこに住んでいる時に産まれたんだもんな、
シアワセってね、まさしく気の持ちようだと僕は思う・・・。


あれから早、四半世紀・・・。


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晴れる日もある、雨の日もある。
曇りが続く日々もある。


ただ一つ言える確実な事は、
そのどんな日にだって必ず笑える小さなシアワセがある。


それに気付き、
ああ、シアワセだな〜って、
ありがたいな、ありがたいなって感じて過ごしていると、
悪い事なんて何も起こらないんだよ・・・。


こ〜んな簡単な事なのだが、
それを知らない人が多い・・・。


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どこにいても、
どんな時にでも、
既に誰もがシアワセなのだと気付いて下さい・・・。