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膝丈ほどある駅前ロータリーの縁石に、
僕は車の右側を擦ってしまった。
右側だぞ、右側、
まさか右側を縁石に擦ってしまうなんて初めてなの、やさしくしてネだ。
ガリガリと音がして、ドアの下が凹み、心も凹んだ・・・。
♪ ガ〜リガ〜リくん ガ〜リガ〜リくん ガ〜リガ〜リ〜くん ♪
なんて唄っている場合じゃないと思ったほど凹んだ・・・。
息子がいつかぶつけるだろう、
いつか擦るだろうとは想定していたが、
まさか自分が擦っちゃうとは思わなかった。
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確かに車も心も凹んだが、
でもね、
人を撥ねちゃったり、自転車を轢いちゃったりしたのではなくて良かった。
めでたしめでたし、だ。
めでたくないよっ!
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ディーラーで見てもらうと、
「 これはドアを交換ですね。 」だったが、
町の修理屋さんで見てもらうと、
「 板金で完全に直るよ。 」だった。
「 直せるモンは直すのが修理屋の仕事。 」
と言う修理屋さんのオジサン(同年代)の職人としての言葉に心打たれて、
こちらにお願いする事にした。
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「 直せるモンは直すのが修理屋の仕事。 」
職人ってさ、どんな職種でも心意気が粋だな・・・。
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それにしてもな、確実に運転の技量は衰え始めている。
気を引き締めなければと感じる事が増えた・・・。
「 父さんよ、65歳になったら運転をさせないからな。 」
と、僕は息子から言われている。
まさしく正論だと思う・・・。
とりあえずあと15年、
絶対に事故だけは起こすまい・・・。