小学校の低学年だった頃、僕も、
「 出て行きなさいっ! 」ってね、
激怒したオフクロから家を追い出された事がある。


家の外に出された途端、ガチャンと鍵を掛けられたのであった。


とりあえず 貝がら公園 の 貝がらの滑り台 の中で暮らそうとは考えていたが、
あまりにも癪に障ったので、出発前に、
家のドアの鍵穴に細〜い木の枝を差し込んで折って塞いだ。
見事に隙間なく鍵穴は塞がった。


わっはっは!
じゃあ、さようなら、お元気で!と、
僕は 貝がら公園 に向かった・・・。


結局、
夕方になって心配したオフクロが探しに来て、
そして家へと帰ったのだが、
僕が塞いだ鍵穴は、そのままであった。


木浦商店(金物屋さん)のオジサンが修理に来てくれて、
我が家の鍵はシリンダーごと交換する事となった。
かなり高くついた躾けだったな、オフクロさんよ、と、僕は思った。
いいクスリです。


僕が現在、
親が子供を躾けるなんておこがましいと主張するのは、なあ、
こうした自身の経験を踏まえた上での事です。


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北海道の山中に置き去りにされて、
そして行方不明になっていた7歳の男の子が無事に保護された。
嬉しいニュースだった。
ホッと胸を撫で下ろした・・・。


怖かっただろうな、
6日間も一人でいて、どれだけ不安だっただろうかと考えると、
このオジサンは涙腺が緩いからさ、涙が出ちまうな・・・。


男の子が無事であったからこそ言えるのだけれど、
おこがましい親には、いいクスリです。