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愛犬タロウが、
さっきからずっと階段を見つめている。
じ〜っと見つめ続けている。
平日の昼下がり、
家の中にいるのは、
僕とタロウと水槽の中の金魚のクルリン、
その3人(匹)だけなのだが、
何かの気配を感じているのだろうか?
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じ〜っと階段を見つめ続けていたタロウが、
グルルルと牙を剥き、威嚇の表情となった。
顔は威嚇の表情だけれどホレホレ、
なにしろタロウは僕と同じで気が小さいヤツなので、
尻尾はビビッて丸くなっている・・・。
うわぁ、やっぱり僕ら以外の何者かがいるのかな・・・。
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タロウ!って声を掛けると、
タロウは僕のところまで走って来て抱きつき、
恐怖のためかブルブル奮えている。
お〜い、何が見えたんだよう・・・。
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動物とか小さな子供ってさ、
僕らには見えないモノが見えるって言うじゃないか・・・。
タロウよ、落ち着け、落ち着けってば。
一体何が見えたのか父ちゃんに教えてくれ・・・。
犬は可愛いけれど会話が出来ないので不便だな。
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タロウが何を見たのか気になるけれど、
まあいいや、無かった事にしよう・・・。
たぶん、座敷わらしか何かだろう、
悪いモノではないだろう・・・。