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ものすごい贅沢だが、
恐縮してしまうほどの贅沢で申し訳ないが、
時間がないので駅から自宅までタクシーに乗ったワタクシ〜、なんちゃってだ。
僕にしてみりゃものすごい贅沢だ。
だが、贅沢ってな、
贅沢をした分、後で節約をすればプラマイゼロになるから許そう自分を。
自分を許すことが出来るのは自分だけだ。
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タクシーの運転手さんはお爺さんで、
僕の親父と同い年の、昭和15年生まれの人であった。
76歳だ・・・。
・・・、
・・・。
大丈夫ですか?
僕が運転しましょうか?
だなんてプロに言っちゃいけねえな。
信じよう、運転の職人を・・・。
家までの僅かな距離ではあったが、
運転手さんといろいろ話した。
「 わっはっは、それでね、お客さん、 」って、
いちいち後ろを振り返るので危ねえな・・・。
なので僕は前のめりになって会話をした。
僕が前のめりになった分だけ、お爺さんが振り返る角度が少なくて済む。
でも、
前を見てっ、前を。
って、僕は何度も心の中で大きな声で思った。
なんだかものすごく疲れる・・・。
贅沢をしたつもりが、ちっとも贅沢じゃないぞ・・・。
けれど、
「 わっはっは、それでね、お客さん、 」って、
話の内容が面白かったので許そう・・・。
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気を付けて運転して下さいね。
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1000円ちょうどだった。
お釣りはイイですってセリフを言いたかったので残念。
領収書ください。