家で仕事をしていると、
なにやら元気いっぱいの幼児たちの独特な大きな声が遊歩道の方から聞こえてきた。
「 せ〜の! 」って大人の掛け声に合わせ、「 Iく〜ん!Iく〜ん 」って。
Iくんは僕の苗字なので慌てて外へ出てみると、
黒目川沿いの遊歩道の、しかも向こう岸に10数人の3歳児位の保育園児たちが一列に並び、
僕に向かって手を振っているのであった。


僕に向かって手を振っているので、
僕も手を振りそれに応える。


「 みんな〜っ、あの人が先生のオトモダチのIくんで〜す!
  今日は会えて良かったね〜っ! 」って、
列の端にいるのはU子さんであった。


U子さんは恥ずかしいとか照れちゃうって感情がゼロの姐さんなので致し方あるまい。
僕にとっては地元・清瀬のマジで大切なF先輩の奥さんでもあるので邪険には扱えない。


「 Iく〜ん!Iく〜ん! 」と、
チビッコたちは元気いっぱいに手を振ってくれているので嬉しい。
嬉しいけれど、
よ〜く考えたらここは僕にとって近所じゃないか、
近所の人たちは僕を何者だと思うだろう・・・。


「 今ね〜っ、お散歩の途中なの〜っ、
 忙しいから、またね〜っ。
  みんな〜っ、Iくんにバイバイをしてくださ〜いっ! 」と、
ものすご〜く大きな声でU子さんは言った。


手を振っているのとバイバイの違いは何だ?
って僕は一瞬考えたけれど、
子供たちの姿が可愛かったので、まあいいやと許そうなりけり。


嵐のようにU子さん御一行は帰って行った・・・。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・


幼児教育のベテランと呼ばれているU子さんなのであるが、
U子さん自身が幼児なんじゃないだろうかと、ふと思う。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・


しかし気になるのは、
今日は会えて良かったねというU子さんの言葉だ。


つまり、
このU子さんの行動は、今日だけじゃないって事だよな・・・。


「 みんな〜っ!今日はIくんに会えなくて残念だったね〜っ! 」って日もあったんじゃないだろうか・・・。


ご近所の方々は僕を何者だと思うだろう?
あらためてそう考えた・・・。


まあいいや・・・。