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「 君の家まで歩くことを目標にしてリハビリを頑張っています。 」
ああ、
このメールは、消す事の出来ないメールになってしまった。
僕は、なんて冷たい人間だろう。
ただそのメールにある言葉をずっと信じていて、
その日が来るのを呑気に待ち続けていただけだ・・・。
大切な、
兄貴のように慕っていた人に対してとる態度ではないよな。
僕は、冷たいヤツだな・・・。
会いたかったら待つのではなく、
こちらから行くべきであった。
たとえ迷惑がられてもどんどん会いに行くべきであった。
痛恨の極みだ・・・。
・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・
僕の家までの数百メートルが、
どんなにどんなに遠かった事だろう。
果てしない道に思えていた事だろう。
だから待つのではなく、
僕から行くべきであったのだ。
・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・
「 君の家まで歩くことを目標にしてリハビリを頑張っています。 」
このメールの文面は、
優しかったあの人そのものだ。
こんな優しいメールなんかじゃなく、
何か頼み事を僕にしてくれれば良かったのにと思う。
僕は、桜の枝を折ってでも、
花を見せに行く事が出来たはずだよ・・・。
・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・
ソックリな顔をしてると言われ続けた、
5歳年上の兄貴のような友よ、
優しくて穏やかな人柄だった友よ、
僕は今、自分の冷酷さに打ちのめされているよ。
どんな状況にあるあなたであっても、
会いに行くべきであったのだ。