宝くじのコマーシャルがテレビから流れる。
まこと江戸時代の富くじの昔から、庶民は胸を弾ませ踊る。


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オフクロの実家であるT教の教会に、Sさんというオジサンが住んでいた。
幼かった僕が祖母に聞いたところ、
Sさんは元々は戦災孤児であった人との事であった。
静かで穏やかな人だった。


そのSさんが、よく宝くじが当たるのだった。
額面数千万円の宝くじだぞ。


宝くじが当たるとSさんの姿は消えていなくなり、
数年後、以前よりひどい状況になって再び教会へ戻って来る。
僕が知る限り実に三度、それをSさんは繰り返していた。
気が大きくなって騙されたり、お金を取られちゃったりして、
その都度それ以前よりボロボロになって戻って来る様子は、
子供だった僕から見ても気の毒であった。


宝くじは当たってもシアワセにはなれない。
それはよく聞く言葉だけれど僕にとっては実感でもある。


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自分(器)の大きさ以上のお金は身に付かない。
実にあたりまえだのクラッカーなのですな。


広大な駐車場に降り立った第一歩でウンチを踏み、
その時に買ったロト6は数字が一つも合わずに外れていた。


めでたしめでたしだ。


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自分(器)を大きくするように努める事が先。


かもよ。